ハダニの駆除

要点

葉の白い小さな斑点と細い糸は、ハダニのサインです。株をほかの植物から離して葉の裏を洗い流し、2回続けて何も見つからなくなるまで対策を繰り返します。

葉の表に針で突いたような白い小さな斑点が出て、葉全体が色あせたようにかすれ、やがて葉のつけ根に細いクモの巣のような糸が張ったら、ハダニです。ハダニは葉の裏にいて、体長は1mmもなく、色は黄緑色か赤っぽい色です。とても小さいので、たいていは虫より先に被害に気づきます。確かめるには、白い紙を枝の下に持ち、葉を軽くたたきます。紙の上で動き出す点がハダニです。見つけたら、まず株をほかの植物から離し、ぬるま湯のシャワーを下から葉の裏に向けて当てて洗い流します。卵は最初の洗い流しを生き残るので、そのあとは2〜3日おきに同じところを確かめます。

ハダニの見た目と見分け方

観葉植物につくハダニは、ほとんどがナミハダニ(Tetranychus urticae)です。成虫は体長1mmほどの楕円形で、脚は8本あります。1年の大半は黄緑色で、背中に2つの黒っぽい斑点があります。秋から冬にかけては、多くがオレンジがかった赤色に変わります。卵はとても小さな丸い透明の粒で、かえる前にクリーム色になり、白い抜け殻と一緒に葉の裏についています。ルーペを使うか、スマートフォンのカメラでいっぱいに拡大して撮れば見えます。

ハダニそのものより先に、被害が目に入ります。最初は葉の表に針で突いたような白い小さな点が出て、ときには銅色を帯びます。吸われ続けると葉はつやを失い、白っぽい灰色や黄色になって落ちます。糸が張るのは数が増えてからで、葉のつけ根、葉柄と茎の間、新芽の上に細い糸がかかります。

すぐにできる2つの確かめ方:

白い紙を枝の下に持ち、葉を2回たたきます。紙に落ちてから歩き出すものがハダニです。ほこりは動きません。

株に細かい霧を軽く吹きかけます。水滴が糸に引っかかり、それまで見えなかった網が見えるようになります。

ハダニと間違えやすいもの:

  • アザミウマ(スリップス)の被害は、もっと大きな銀白色のかすれで、黒い小さなふんの点が混じります。糸は張りません。
  • 本物のクモの巣はもっと大きくて目が粗く、いるのはクモ1匹だけです。何百もの小さな点はいません。
  • ほこりは紙の上で動かず、拭けば斑点を残さずに取れます。
  • カブリダニ(天敵のダニ)は洋なし形でオレンジがかった赤色、体長0.5mmほどで、すばやく動きます。自分で放したものなら、そのままにしておきます。
  • 水のやりすぎの場合は、斑点は出ずに、下の葉から順に葉全体が黄色くなります。

注目ポイント

  1. 01光にかざした葉の裏
  2. 02葉の表の白くかすれた小さな斑点
  3. 03葉のつけ根や新芽にかかった細い糸
  4. 04白い紙の上に落ちて動く小さな点
  5. 05エアコンの暖房の風が当たる場所の株
葉と葉柄の間に張った細い糸と、葉の白くかすれた小さな斑点
細い糸と白い小さな斑点がそろえば、ハダニと見て間違いありません

ハダニが発生する原因

ハダニがいちばん速く増えるのは、暖かく乾いた空気の中、水が足りない株、ほこりをかぶった葉の上です。室内では、冬にエアコンの暖房の風が当たる場所や、暖房の効いた乾いた部屋の株がこれにあたります。

ミネソタ大学エクステンションは、ハダニを観葉植物でいちばん問題になる害虫として挙げ、暖房で暖かく乾いた冬の室内でよく増えると説明しています。すすめているのは、白い紙の上で葉をたたいてオレンジ色の小さな点を探すこまめな確認と、冬の間に観葉植物を定期的に洗うことです。

ハダニは新しい植物や切り花についてやってきて、夏は開けた窓から入ることもあります。1株につくと、触れ合う葉を歩いて渡り、糸に乗って隣の株へ移ります。メスは鉢のふちのすき間、窓辺、枯れた葉や茎に隠れて生き残るので、きれいにしたはずの株にまたつきます。

つきやすいのは、葉が薄く湿度を好む植物です。カラテアやマランタ、アロカシア、ヤシの仲間、ヘデラ、クロトン、シェフレラ(カポック)、フィカス、ドラセナ、ユッカ、レモンなどのかんきつ類がそうです。冬の乾いた部屋では、金のなる木のような多肉植物にもつきます。

シャワーで植物を洗い流している
株を離し、下から葉の裏に向けて洗い流します

対策の手順:穏やかな方法から強い方法へ

手順1:株を離す。ハダニを見つけたら、すぐにほかの植物から離します。

手順2:しっかり洗い流す。ぬるま湯のシャワーを、下から葉の裏、葉のつけ根、新芽に向けて当てます。鉢を傾けるか、土の部分をポリ袋で包みます。勢いのある水でハダニの多くが落ち、糸もちぎれます。対策を続けている間は、数日おきに繰り返します。

手順3:いちばんひどい葉を切る。白っぽい灰色になって糸に覆われた葉は元に戻らず、ハダニの大部分がそこにいます。切った葉は袋に入れて捨て、窓辺、鉢カバー、受け皿を拭きます。

手順4:洗い流しで足りなければ、気門をふさぐタイプの薬剤を使う。脂肪酸(石けん)、油、でんぷんなどを成分とし、ハダニの体を覆って呼吸をふさぐ薬剤です。直接かかったハダニにしか効かないので、ラベルに従って葉の裏、葉のつけ根、葉柄までむらなくかけます。卵に効かない製品もあります。繰り返す間隔はラベルに書かれたとおりにし、先に小さな部分で試して、1〜2日後に葉が傷んでいないかを見ます。

手順5:油が主成分の薬剤も同じように使う。油の膜でハダニを覆うので、やはりすみずみまでかける必要があります。毛のある葉、若い芽、表面に白い粉をふく多肉植物ではしみが出ることがあるので、ここでも先に試します。石けん系や油系の薬剤は、強い日差しの中、気温が32°Cを超えるとき、水切れしている株には使いません。

手順6:天敵のカブリダニを使う。チリカブリダニ(Phytoseiulus persimilis)はハダニのすべての段階を食べる代表的な天敵で、ハダニが多いとき、ふつうの室温で、湿度がおよそ60%を超える環境でいちばんよく働きます。ミヤコカブリダニ(Neoseiulus californicus)はハダニが少なく、乾いて涼しい条件にも強いので、予防に向いています。目安はハダニ10匹に対して1匹で、放す1週間前から薬剤をかけるのをやめ、そのあと数週間はカブリダニに任せます。日本では主に農業向けに販売されているので、家庭の室内で使える量や条件かどうかは販売元に確かめます。1鉢だけを乾いた部屋に置くより、植物をまとめた場所のほうがよく働きます。

手順7:殺ダニ剤を使う。気門をふさぐタイプの薬剤を何回か使っても減らないときは、ラベルに観葉植物とハダニが書かれた殺ダニ剤を、ラベルのとおりに使います。一般的な殺虫剤は向いていません。ハダニの天敵まで殺して、かえって増やしてしまうものがあるからです。

手順8:確認を続ける。2〜3日おきに、葉の裏、葉のつけ根、新芽、葉柄を見て、見つけたハダニは洗い流すか拭き取ります。薬剤を繰り返すのは、ラベルの間隔のときだけです。2回続けて何も見つからなければ、株を元の場所に戻します。周りの株も、数週間は一緒に確かめます。

対処法

株を離して葉の裏を洗い流し、健康な葉が十分に残る範囲でひどく傷んだ葉を切ります。こまめに確かめ、薬剤はラベルの指示どおりにだけ繰り返し、確認でハダニが見つからなくなるまで続けます。
植物のそばに置いた薬剤のスプレーボトル
薬剤は、直接かかったハダニにしか効きません

家庭でできる対策:効くものと効かないもの

ぬるま湯で洗い流すことが、家庭でできるいちばん効果的な方法です。葉の裏に向けて勢いよく当て、数日おきに繰り返すと、数を少なく抑えられます。

食器用洗剤を薄めたスプレーは、かかったハダニを殺すことはありますが、添加物で葉にしみや焼けが出ることがあります。植物用に作られた薬剤を選んでください。

ニームオイルはほかの油と同じように膜で覆って効きます。すみずみまでかけて何回か繰り返す必要があり、弱い葉にはしみが出ることがあります。

葉水で湿度を上げるとハダニの増え方はゆっくりになりますが、それだけで発生は終わりません。予防として続けてください。

透明なポリ袋を数日株にかぶせて湿度を一気に上げる方法もよく紹介されます。ハダニは減りますが、湿った空気がこもると腐れや葉の傷みが起きやすくなり、これで発生が終わることを示す独立した試験は見つかりませんでした。試すなら短い期間にとどめ、毎日空気を入れ替えます。

牛乳、酢、重曹、過酸化水素水(オキシドール)は、ハダニに効くという確かな根拠がなく、葉を傷めることがあります。

ルーペで葉の裏を確かめている
2〜3日おきに、同じ葉の裏を確かめます

いなくなるまでにかかる期間

ハダニは21°Cでは卵から成虫まで約12日、10°Cでは約55日かかります。暖房の効いた暖かく乾いた部屋では、1週間足らずで一世代が育つこともあるので、数があっという間に増えます。

対策には数週間かかることが多いです。2〜3日おきに確かめて見つけたハダニを取り除き、薬剤はラベルの間隔でだけ繰り返します。カブリダニにも時間と販売元が示す条件が必要です。新しい葉に新しい斑点が出なければ順調です。2回続けて何も見つからなくても、しばらくは確認を続けます。

ハダニによる害

人にも犬や猫にも害はありません。ハダニは植物の汁だけを吸い、人や動物をかんだり、体にすみついたりしません。

植物には害があります。少しなら株が弱る程度ですが、数が多いと葉の緑が吸い取られ、乾いて落ち、ひどく傷んだ株は枯れることもあります。ハダニはほかの多くの害虫以上に、早めの対策が大切です。

その植物自体がペットにとって問題になるかどうかは、その植物の育て方ガイドで確かめてください。

ハダニを寄せつけない予防

ハダニは涼しく湿った空気、きれいな葉、水の足りている株を嫌います。

  • 冬は弱い植物をエアコンの風が当たらない場所に移し、まとめて置くか、湿らせた小石を敷いた受け皿にのせます。これで退治はできませんが、増え方はゆっくりになります。
  • 日にちで決めずに、土を触って乾き具合を確かめてから水をあげます。水切れしている株ほどつきやすくなります。
  • 大きな葉はこまめに拭くか洗い流します。ほこりは最初の斑点を隠し、ハダニが増えやすくなります。
  • 新しい植物は2〜4週間ほかの植物から離して置き、その間に葉の裏を確かめます。
  • 暖房を使う季節は、つきやすい植物の葉の裏を週に1回見ます。

株を手放すとき

株のほとんどが白っぽい灰色になって糸に覆われ、何回か対策をしてもほかの植物にうつし続け、簡単に買い直せるなら、手放すことを考えます。公的な園芸情報でも、ひどく発生した株は何か月も対策を続けるより処分したほうがよいことが多いとされています。家の中を運ぶ前に袋に入れます。

大切な株や大きな株なら、数週間かける価値があります。健康な部分まで思い切って切り戻し、洗い流し、何回かに分けて対策し、カブリダニを使います。

ハダニがいなくなったあと

斑点が出て白っぽい灰色になった葉は、緑に戻りません。自然に落ちるまで残しておき、健康な葉が十分に残る場合だけ切り取ります。

終わったかどうかは新しい葉が教えてくれます。むらのない緑色で斑点のない葉が出てくれば、対策は効いています。

ひどく弱った株に必要なのは肥料ではなく時間です。明るい場所に置き、土を触って乾いてから水をあげ、また育ち始めるまで肥料は待ちます。

その植物がペットや子どもにとって問題になるかどうかは、その植物の育て方ガイドで確かめてください。中毒が疑われるときは、獣医師か医師に相談します。

新しく迎えた植物や贈られた植物を確かめる

ハダニが家に入ってくるのは、たいてい新しい植物、贈られた鉢植え、切り花からです。花が咲いている株や包装されたままの株は、つい見逃しがちです。届いたその日に、ほかの植物と並べる前に確かめます。

包装のフィルムや紙は外して捨てます。明るい窓辺で5〜6枚の葉を裏返し、葉の裏の中央の葉脈に沿って見たあと、葉のつけ根と新芽を見ます。葉の表に白い小さな斑点があれば、もっとよく見る合図です。

白い紙の上で2〜3本の枝をたたき、数秒待ちます。歩き出す点がハダニです。秋から冬は、オレンジ色や赤色のことが多いです。

よく見るには、ルーペかスマートフォンのカメラをいっぱいに拡大して使います。ハダニは脚が8本で体は楕円形、卵は透明な小さな粒で、そのそばの葉の裏に白い抜け殻があります。葉のつけ根に糸が張っていれば、すでに数が多くなっています。

そのあと2〜4週間は、別の部屋か、少なくともほかの植物と葉が触れない場所に置き、2〜3日おきに確かめます。最初の確認で何もなくても、卵がないとは言えません。

次に確認するタイミング

ハダニを見つけたときや植物を家に迎えたときは、すぐに次の確認日を書き留めます。対策中は、洗い流すたびにその2〜3日後が確認日です。土曜日に洗ったら、月曜日か火曜日に、同じ葉の裏、つけ根、新芽を見ます。

2回続けて何も見つからなければ、株を元の場所に戻します。そのあとは、春に暖房を使わなくなるまで、つきやすい植物の葉の裏を週に1回見ます。新しい葉に新しい斑点が出なければ、株は回復に向かっています。

新しく迎えた植物や贈られた植物は、届いた日、その3〜4日後、そのあとは離して置く2〜4週間が終わるまで週に1回確かめます。

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よくある質問

ハダニをすぐに駆除する方法は?

ぬるま湯を勢いよく葉の裏に当てると、ハダニと卵の多くを落とせますが、隠れているものが残るので、洗い流しと確認を繰り返します。気門をふさぐタイプの薬剤は直接かかったハダニにしか効かず、卵に効かない製品もあります。必要なら、ラベルに観葉植物、ハダニ、室内での使用が書かれた製品を選び、ラベルのとおりに繰り返します。

葉水だけでハダニは防げますか?

葉水で湿度が上がるとハダニの増え方はゆっくりになりますが、すでに発生したハダニはそれだけではいなくなりません。予防としては役立つので、洗い流しや確認と組み合わせて続けます。

ハダニの天敵は?

主にカブリダニです。チリカブリダニはハダニのすべての段階を食べ、ミヤコカブリダニは予防に向いています。クサカゲロウの幼虫や小さな捕食性のタマバエもハダニを食べます。日本では主に農業向けに販売されているので、室内で使えるかは販売元に確かめます。

ハダニで植物は枯れますか?

はい、数が多いと枯れることがあります。葉の緑が吸い取られ、乾いて落ちます。斑点や糸に気づいたら、すぐに対策を始めてください。

ハダニはどこから来るのですか?

たいていは新しい植物か切り花からで、夏は開けた窓から入ることもあります。そのあと、暖房で暖かく乾いた空気の中で一気に増えます。

ハダニは人やペットに害がありますか?

ありません。ハダニが吸うのは植物の汁だけで、人や犬、猫をかむことはありません。

ハダニがいなくなるまで、どのくらいかかりますか?

たいてい数週間です。暖かい部屋ではハダニの成長が早いので、こまめに確かめ、確認でハダニが見つからなくなるまで、薬剤はラベルの間隔で繰り返します。新しい葉と周りの株も見続けます。

ハダニは土の中にもいますか?

メスは枯れた葉や茎、鉢のふちのすき間、土の表面で生き残ることがあります。対策をするときは、土の上に落ちた葉を取り除き、鉢のふち、鉢カバー、窓辺を拭きます。

新しい植物にハダニがいないか確かめる方法は?

明るい窓辺で何枚かの葉を裏返して葉脈に沿って見たあと、葉のつけ根と新芽を見ます。白い紙の上で枝を何本かたたき、歩く点があればハダニです。2〜4週間はほかの植物から離して置き、2〜3日おきに確かめます。

最終確認日: